今回は、私が約2年半滞在していたパリの郊外、Argenteuil(アルジャントゥイユ)について少しご紹介をしたいと思います。
Argenteuil(アルジャントゥイユ)は、パリの北西に位置するVal d'oise(ヴァル・ドワーズ)県に所在する町で、パリのSaint-Lazare(サン・ラザール)駅から出ている電車で約10分くらいで行けます。
今では、HLM (Habitation a Loyer Modere :公団住宅) が建ち並んで、
町並みも昔に比べるとだいぶ変わってしまったと、Argenteuilで生まれ育った人は言っていました。
19世紀後半のフランスに発した印象派(Impressionnistes)の画家が、こぞって絵画を描きに来た町のひとつでもあります。
Argenteuilには、セーヌ河(La Seine)が通っているので、Argenteuilの橋のふもとや河川敷をモチーフにしている絵がたくさんあります。
この "régate à Aregenteuil"は、オルセー美術館(Musee d'Orsey)にあります。私は、個人的に印象派が大好きなのでオルセー美術館には、何度も足
を運びましたが、その中でもこの絵は大好きです。
"régate à Aregenteuil" Claude Monet (1872)
"Passerelle d'Argenteuil" Alfred Sisley (1872)
私が好きな印象派の画家の一人、アルフレッド・シスレーもまた、Argenteuilを描いています。
サン・ラザール駅から北西に向かって走る郊外線"Grande ligne"(グランド・リンニュ)に乗っていると、Argenteuilに入ったところで、大きな橋が見えてきます。
Argenteuilに住み初めの頃は、いつもこの橋を目印に駅に降りるタイミングを計っていました。
パリから10分程なのに、町の雰囲気は全く違います。
この町に2年半くらい住んで、日本人らしき人を見たことは一度もありませんでした。
アジア人ですら他の町に比べるととても少なく、町を歩いていると少し浮いてしまうくらいでした。
アラビア系またはアフリカ系の移民の家族がたくさん住む町で、年々その数は増えているようですが、この様に変化したのもここ3、40年くらいだそうです。
色々な文化が混じり合って楽しい反面、Argenteuilで生まれ育ったおじいさんやおばあさんは、この文化の変化に戸惑いを隠せないでいるのも実状です。
"Argenteuil" Edouard Manet (1875)
しかしながら、私もAregenteuilやフランス、もちろん海外では、外国人の一人です。
このお話しを聞きながら複雑な気持ちになりましたが、いかにその文化や伝統、そしてお互いが尊重して暮らしていくことが大切かを文化の多様化、移民される国、移民した人々の立場で考えることが多くなったように思います
Aregenteuilで暮らした後、Paris(パリ)に引っ越したのですが、久しぶりにArgenteuilに遊びに行くと何だか実家に帰ったようにホッとしていました。
住めば都とは、よく言ったものですね!
"Coquelicots(Pavots rouges) a Argenteuil" Claude Monet
皆さんも、パリにご旅行に行った際にお時間がございましたら、立ち寄って見てはいかがでしょうか?
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